Q: 適当な句を選ぶという問題ですが、
a. He was busy to prepare his meal.
は誤りで、
b. He was busy preparing his meal.
が正しいということです。
「食事の準備をするために彼は忙しかった。」
という意味なら、「するために」という意味を表す不定詞句を用いて、aの文も言えないでしょうか。be glad to do ~ みたいに感情を表す形容詞となら不定詞は使えるのに、このような場合は使えないのでしょうか?
(O.S.さん 岐阜市)
A: その通りです。形容詞busyは不定詞といっしょには使わないようです。そこはreadyなんかとは異なり、不定詞の未来性というところから判断することになります。
Are you ready to go?
行く用意はできましたか。
He is always ready to help us.
彼はいつも喜んで我々の援助をしてくれる。
などの例文(『ジーニアス英和辞典』大修館書店)では、不定詞句の部分はこの文を言う時点より先に(未来に)する行為を表しています。
He was busy.
という文では「彼」は過去のある時点で「忙しい」状態だったわけですから、これから「食事の準備をする」わけではありません。ここは、同時性を表す表現を用いて
He was busy (in) preparing his meal.
彼は食事の準備をすることにおいて/で忙しかった。
とするべきです。おそらく元は前置詞inとともに動名詞として使用されていた-ing形ですが、今はinを省くことが多いようです。そうすると分詞のように感じられますが、それでも現在分詞は「状態性」を表し、同時性を表現しますから、この文でも「準備をする」ことと「忙しい」ことが時間的に重なり、英語としては論理的です。
ところが日本語では「食事の準備のために忙しかった」と言っても「食事の準備で忙しかった」と言っても時間の先後関係においては同じように感じられます。これは日本語の助詞「ために」には「目的」の他に「原因・理由」を表す用法があるためです。
不定詞の副詞用法にもこのように、目的と原因・理由の用法がありますが(Q&A 2 (2) の3を参照)、実は時間を考慮して、「~するために」(目的)、「~したために/~して」(原因・理由)と訳し分ける必要があることになります。
このような点は生の授業等では普通に説明できますが、なかなか文章で書く場合は表現しにくく触れられないことが多いものです。
やはり完成された言い方だけではなく、未完成の不自然な(無理をした)解説を聞くという機会もなくてはならない、ということでしょうか。参考書など完成品ももちろん大事ですが、先生の話にこそ耳を傾けるべきなのかもしれません。
またお気軽にご来店ください。
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