未分類

日英語の呼びかけ語

ずいぶん古い話になりますが、ある高名な宗教学者の書いたコミュニケーションに関する本(『コミュニケーション入門』)の中で、日本人の「~さん」という呼びかけ表現について書かれた一節を読んで、日英語の呼びかけかたの違いに驚きました。 日本の大学で…

テキストデータだけを取り出す方法

新学期が始まり、大学では卒業論文に取りかかる学生も多いと思います。毎年同じような指導をすることになりますが、今日は参考文献として書名等の図書情報をウェブサイトから取り込む方法を紹介します。他にも種々あると思いますが、次の例はテキストファイ…

「行く」「来る」を表す be 動詞について

自動詞としての get「到着する」についての例(2023-02-28 Tue)でも見ましたが、”get to 場所” のような句では Could you tell me how to get there? そこに行く方法を教えてください。 など、「行く」と言う方が好まれるようです。(文例は New Crown Engl…

自動詞としての get について

会話にはよく get が使用されます。多くの場合他動詞(目的語をとる)としてですが、自動詞としても実はよく使用されています。 教室英語の表現集を見ていたところ、「授業を始めます」は、 Let’s start the lesson. Let’s start/begin. の類以外に Let’s ge…

依頼文の間接性について(2)

前回は Will you 依頼文が「~する気があるか」、Can you 依頼文が「~できるか」と聞くことで相手に(求められた行為を回避できるように)配慮しているという仕組みを見ました。 前にもふれたように英語にはもう一つ間接性を高める丁寧な依頼表現があります…

依頼文の間接性について (1)

いつのころからか、Will you do ~? 「~してください」という will を用いた依頼文は丁寧さの度合いが低いので、would として仮定法により丁寧度を高くするか、can を用いるのが好ましい、という説明を聞くようになりました。 Will you 疑問文が本来の「意…

スルを英語にする

前回の「する」「やる」(「出産する」の英語)に関して英語を教えているときに気になるのは、何かをする、というときに英語の動詞が do「する」に対応しない場合があるという点です。すぐに思いつくのは例えば、 散歩をする take a walk ですが、他にスポー…

「出産する」の英語

“Afghan refugee gives birth on U.S. plane” という記事(9月8日「朝日新聞」「ニュース 100 words」)に都合よく「出産する」という2つの表現が出ていました(情報源はReuters)。アフガニスタンから逃れた妊婦が、ドイツの米空軍基地に着陸した機内で女児…

英語の基本語とメトニミー

中学校の教員養成にかかわるようになってから、中学校の英語の教科書を生徒の側から考えるという視点を持つようになりました。 基本語などはほぼ日本語の対応語1語ぐらいで意味がとれるものと思っていましたが、教科書を見るとそれほど単純ではありません。 …

辞書の使い方

辞書をどのように使うかについては、あまり聞かれることはない質問ですが、今日は辞書を使うときには赤線を入れるなど印をつけると学習が楽しくなる、効率が良くなる、という話をしたいと思います。主に英語の辞典です。 学習参考書類には下線を引いたり、マ…

前置詞 of についての断章(12)―補語について―

前置詞ofの用法を辞書(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)の記述に沿って見てきました。今回は第4回(18-07-01)の[記述]で話題にした補語について補足したいと思います。 前回は[文法的意味]について考えてみました。これは動詞…

前置詞 of についての断章(11)―文法的意味―

前置詞ofを辞書(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)の記述に沿って見てきました。今回は大分類の最後、Ⅵの[文法的意味]について考えてみます。 前回の[関連]がそれまで説明してきた用法以外の用法としましたから、今から見る用法…

前置詞 of についての断章(10)―関連―

前置詞ofを辞書(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)の記述に沿って見てきました。第1回(18-04-01)で「of + 名詞」の句が名詞につく場合は ~(について)の、~に関する 動詞(・形容詞・副詞)につく場合は ~について、~に関して…

前置詞 of についての断章(9)―部分―

前置詞ofを辞書(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)の記述に沿って見てきましたが、今回はⅣの10[部分]の用法について確認しておきましょう。 この「部分のof」と授業中によく言及される用法は、教えている感覚からすると所属の次ぐ…

前置詞 of についての断章(8)―根源―

前置詞ofを辞書(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)の記述に沿って見てきましたが、今回はⅢの[根源]の中の用法 7 根源・出所 8 原因・理由・動機 9 a 材料・構成要素 9 b 分量・内容 について考えてみましょう。 前回見たように、前…

前置詞 of についての断章(7)―分離―

前置詞ofについては、日本語の「~の」という訳語があてはまる場合が多く「所属」「所有」という意味でよく使用されます。これは今まで見てきたとおりですが、『ジーニアス英和辞典』(電子辞書版、大修館書店、2002年)のofの項目に解説があるように、原義…

前置詞 of についての断章(6)―限定―

所属という分類の中の下位分類として「限定」が挙げられています(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)。今回はこの用法について考えてみましょう。 狭い意味では「限定」というのは意味範囲を限定することで、例えば自分の車を駐車場内…

前置詞 of についての断章(5)―同格―

所属という分類の中の下位分類として同格が挙げられています(『ジーニアス英和辞典』)。今回は「同格のof 」と言われる用法について考えてみましょう。特に形として the A of B を「BというA」、比喩的な用法である a(n) A of B を「AのようなB、Aみたいな…

前置詞 of についての断章(4)―記述―

前置詞ofについて、「所属」という分類の中を見てきましたが、今回はその中の「記述」という項目について考えてみましょう。『ジーニアス英和辞典』(大修館書店、2001年)では、6つの大きな分類の最初に「所属」があり、 1a 所属 1b 所有 2 記述 3 同格 4 …

前置詞 of についての断章(3)―所属・所有(補足)―

前回は所属と所有について、所属という分類の中の下位分類として考えました(『ジーニアス英和辞典』)が、この二つの概念について少し追記したいと思います。 前置詞A of Bの基本的な意味としてはBに「根源」を表す用法があり、そこからAが「所属」するとい…

前置詞 of についての断章(2)―所属・所有―

前置詞 of については、すでに見たように、形容詞句としての訳語は「~(について)の」、副詞句としての訳語は「~から、~について(~を)」だけの知識でほとんどの文意はとれますが、『ジーニアス英和辞典』では、大きな意味として、6種類(所属、分離、…

前置詞 of についての断章(1)

1億語の英語テキストが入っているBNC(British National Corpus)というコーパスで使用頻度の高い語のTop 10を見ると、トップがthe、2位がbeでそのあとにofが来て、and、to、a、in、have、it、heと続きます。(ただし話し言葉のみの順位では前置詞の使用は激…