2018-01-01から1年間の記事一覧

図説ことばの世界正誤表

『図説 ことばの世界―欧米の言語史―』 正誤表 (ヴィクター・スティーヴンソン著、江村裕文ほか訳、青山社、2010年) 第1章 9ページ バスク語(水色)の線の中 ホメロス/古典ギリシア語 コイネー を下のギリシア語(灰色)に移動。 11ページ下 「9 スキタイ…

5 「~ていた」は過去形(過去時制)の訳としていいか(2)

Q&A

Q: ラジオ講座のテキストの例文に、過去形の文に対して「~していた」と訳してありました。「~ていた」は過去進行形の訳だと思っていたので気になります。そういう場合もありますか。 (I.Y.さん 各務原市) A: 日本語の「ていた」は英語の過去形に対応す…

5 「~ていた」は過去形(過去時制)の訳としていいか(1)

Q&A

Q: ラジオ講座のテキストの例文に、過去形の文に対して「~していた」と訳してありました。「~ていた」は過去進行形の訳だと思っていたので気になります。そういう場合もありますか。 (I.Y.さん 各務原市) A: 日本語の「ていた」は英語の過去形に対応す…

前置詞 of についての断章(6)―限定―

所属という分類の中の下位分類として「限定」が挙げられています(『ジーニアス英和辞典』電子辞書版、大修館書店、2002年)。今回はこの用法について考えてみましょう。 狭い意味では「限定」というのは意味範囲を限定することで、例えば自分の車を駐車場内…

前置詞 of についての断章(5)―同格―

所属という分類の中の下位分類として同格が挙げられています(『ジーニアス英和辞典』)。今回は「同格のof 」と言われる用法について考えてみましょう。特に形として the A of B を「BというA」、比喩的な用法である a(n) A of B を「AのようなB、Aみたいな…

前置詞 of についての断章(4)―記述―

前置詞ofについて、「所属」という分類の中を見てきましたが、今回はその中の「記述」という項目について考えてみましょう。『ジーニアス英和辞典』(大修館書店、2001年)では、6つの大きな分類の最初に「所属」があり、 1a 所属 1b 所有 2 記述 3 同格 4 …

前置詞 of についての断章(3)―所属・所有(補足)―

前回は所属と所有について、所属という分類の中の下位分類として考えました(『ジーニアス英和辞典』)が、この二つの概念について少し追記したいと思います。 前置詞A of Bの基本的な意味としてはBに「根源」を表す用法があり、そこからAが「所属」するとい…

同窓会の案内

社会に出て活躍している皆さん、元気にお過ごしのことと思います。 すでに何度も仲間同士で計画して集まっていますが、もしより多くの仲間を集める機会をつくりたいなら非公式にここに掲示して会合の機会をつくれます。末尾にあるアドレスにメールをいただけ…

前置詞 of についての断章(2)―所属・所有―

前置詞 of については、すでに見たように、形容詞句としての訳語は「~(について)の」、副詞句としての訳語は「~から、~について(~を)」だけの知識でほとんどの文意はとれますが、『ジーニアス英和辞典』では、大きな意味として、6種類(所属、分離、…

前置詞 of についての断章(1)

1億語の英語テキストが入っているBNC(British National Corpus)というコーパスで使用頻度の高い語のTop 10を見ると、トップがthe、2位がbeでそのあとにofが来て、and、to、a、in、have、it、heと続きます。(ただし話し言葉のみの順位では前置詞の使用は激…

4 「~から作られる」は be made of か be made from か

Q&A

Q: 新聞記事の見出しに Fans made of old maps a huge hit「古い地図から作られた扇子が大人気」とあり(The Japan News、June 10, 2017)、この中の前置詞が of となっています。ここは from ではだめですか。「~から作られる」という日本語にひかれてfro…

各務原英語精読会のご案内 2

Kate ElwoodさんのOne Mother, Two Mother Tongues―Adventures and Misadventures of a Bilingual Family (NHK Publishing, 2011)を読んでいます。現在、3番目のDon’t waste water, Daddyという章を読んでいますが、そこまでの内容を簡単に紹介しましょう。 …

3 「~するために忙しい」はbe busy to DO STとなぜ言わないか

Q&A

Q: 適当な句を選ぶという問題ですが、 a. He was busy to prepare his meal. は誤りで、 b. He was busy preparing his meal. が正しいということです。 「食事の準備をするために彼は忙しかった。」 という意味なら、「するために」という意味を表す不定詞…