11 英語の勉強に必要なもの

Q: 英語の勉強を始めた人にたずねられました。すぐに辞書や参考者は買った方がいいでしょうか。単語ノートやカードを作るのは役に立ちますか。

(S.K.さん 各務原市

A: 勉強の仕方は人それぞれで、自分で納得のいく方法でとにかく継続すること、練習することが大事です。続けるためには出来るだけ楽しく、達成感の得られる方法がいいと思います。

単語ノートやカードを作るのはそれが楽しいという人は続けるべきですが、その「作品」を作ったことに満足してしまってあまり上達しない人もいるようです。この辺りは趣味の世界ですから、本人に任せましょう。

しかし、語学の上達には辞書は必要です。また付き合いのいい先生や友人がいる人はいいですが、常に質問できる環境にない人は是非、信頼できる参考書も手元においてください。実は、語学の勉強に必要なものは教材だけではなく、辞書、参考書、そして教えてくれる人、さらに、もう2つ(?)の「こと」です。続けること、と練習すること。後の方は要するに、話してみること、書いてみること、です。

では、辞書ですが、私が勧めるのは紙の辞書で、それもあまり大きくないもの、です。基本3000語は紙の辞書を使い、基本語は一望できる形でいつでも参照することが有効です。高校生用の学習辞典が一番いいと思いますが、中学生用もよくできていますし、最近小学生用まで出ています。[コロナ禍が収まってから]大きな本屋さんで気に入ったものを買うのがいいでしょう。

紙の辞書の利点は印を残せることです。思い切って赤い線を入れていくとその学習の跡が後で非常に役に立ちます。書き込むこともできます。(紙を挟み込んでもいいのです。赤線は色鉛筆で。朱色のもの。あまり色に凝らない。せいぜい赤青2色。ボールペン等は裏に出ることがありますから避けます。)ある程度勉強が進んだところで、赤線のあるところを見れば重要な項目を確認できます。(入門段階でマークされたことは重要項目、基本項目なのです。)

さらに、電子辞書が必要です。長い単語を調べるとき速く検索できます。また履歴(ヒストリー)機能を使えば検索語の過去100語はすぐ見ることができます。年配の方なら文字を大きくすることで目の負担を軽くできます。英語であれば英和辞典、和英辞典が普通に入っていてこれも大いに便利です。(ここで見つからない語はインターネットで検索することでほとんど意味をつかめます。以前翻訳しているときに困ったのは固有名詞ですが、今は簡単に調べられます。)

さて、参考書ですが、これも本屋さんで気に入ったものを購入するといいでしょう。高校生時購入のものでもいいですが、ある程度大きなもの(かなり詳しいもの)がいいでしょう。大学の英語科で英文法を教えていた時に、いくつか勧めなければいけなくなり、私が選んだ基準は使いやすいこと、紙面が見やすいことでした。(そしてしっかりした造本のもの。)そこでハードカバーの定評のあるものを含めて5、6冊持って行って学生諸君(当時は女子大でした)に選んでもらいました。驚いたことに全員一致(!)で選択されたのは

  杉山忠一著『英文法詳解』学研、1998年(691頁)

でした。もちろん他も良書であったのですが、親しみやすいという点では本書は紙面も明るく、使いやすい本でした。まだ店頭にあると思いますから[コロナ禍が収まってから]、これに似たサイズ、造本ぐらいを目安にご自分で一生付き合えるものを探してください。

そういうわけで、辞書は必要です。本格的に学ぶ気なら電子辞書も。さらに信頼できる参考書に、(ある程度英語のできる)人、が必要です。

教材は山ほどありますが、ラジオ・テレビ講座は様々なレベルがあり楽しく学べます。学校に行っている人はそこでの教材を最優先です。そこには先生がいるわけですから。

するべき「こと」もお忘れなく。

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20 April CIMG3134